近年、LEDビジョンは様々な場所で導入されていますが、LEDビジョンは床に設置することも可能です。床面に設置されるLEDビジョンはフロアビジョンとも呼ばれており、ポリカーボネート製の特殊強化ガラスでディスプレイが覆われているのが特徴です。ポリカーボネートはプラスチック素材の一種で、高い耐衝撃性を持つとともに、耐候性や耐熱性にも優れています。同時に高い透明度も誇るため特殊強化ガラスとして使われていますが、一般的には1㎡あたり2tの重さまで耐えることができるため、人はもちろん車などの重量が大きいものが乗っても破損する心配はありません。

加えて、特殊強化ガラスの表面には衝撃吸収能力が高い透明なゲルシートが貼られているため、フロアビジョンの上で転倒したとしてもケガにつながるリスクが小さくなっています。また、センサーを使うことで人が乗った場所を感知して、表示させる映像を変えるといったことも可能です。フロアビジョンは、現在のところファッションショーやモーターショーなどのイベントや展示会などが主な利用シーンとなっていますが、商業施設やオフィスのエントランス、ホテルのロビーなどにも導入が進んでいます。また、近年はバスケットボールやフェンシングの試合にもフロアビジョンが導入されています。

フロアビジョンを導入してルールや判定を床面に表示させることで、その競技に詳しくない方でも観戦を楽しむことができます。フロアビジョンを導入すると従来とは異なる映像表現が可能になることから、今後はますます普及が進んでいくことが予想されます。